No.042
イーストン社・HOYT社工場見学
2004/09
塙 将一

私たちはイーストン社、HOYT社があるソルトレイクシテイに行ってきました。イーストン社とは、弓道で最も使用されているアルミシャフトを製造している会社です。その他、野球のバットやホッケーのスティック、自転車やテント等のパイプも製造しています。そこでどのようにアルミシャフトが生産され管理されているのか、また今後の要望や新商品についてミーティングしてきました。 HOYT社とは、洋弓やリカーブ、コンパウンドの弓を生産しており、グラス和弓と通ずる物があるため、何かヒントになる事があればと思い視察してきました。

ソルトレイクシテイは記憶にも新しい2002年冬季オリンピック開催地でもありユタ州の州都でもあります。人口は18万人で、ロッキーの美しい山脈や琵琶湖の9倍の面積を持つグレート・ソルト・レイクがあります。また、モルモン教徒たちが苦難の末辿り着き、教会の本部を設立した場所でも知られ、歴史的及び文化的な見所がたくさんあります。

イーストン社はソルトレイクシテイの中心部から車で20分から30分ほどの場所にあります。工場内はかなり整理され、天井の高さがビルの3Fほどもあり敷地面積もかなりの広さです。イーストン社のアルミシャフトの素晴らしさと言えば、軽量、均質、矢尺弓力に合わせた豊富な種類、丈夫さのどれをとってみても優れているところです。物流センターにおいても、広大な倉庫内の天井もビルの6Fはあろうかという高さで、全てコンピュータ制御されており、効率よく管理されていました。

現在、和弓に使用する矢の材質の割り合いは以下のようではないかと考えられます。
 アルミ矢  80%~85%
 カーボン矢 3%~5%
 竹矢    7%~10%
上記のデータは中学、高校、大学の学生大会や国体等一般の競技大会、各弓道場でのお客様の使用を細かく分析し、当社が割り出したデータです。上記のデータが示す割合の要因は以下のように考えられます。

まず、アルミ矢が普及している理由は、安価で高性能、多くのバリエーション(色、サイズ)があるためです。カーボン矢が普及しにくい理由は、アルミ矢に比べて高価で弓力の弱い人に不向きな強い弾性があるためです。竹矢が普及しにくい理由は、高価(天然素材のため)で、日頃の手入れが特に必要とされる点です。破損もしやすく、修理に熟練した職人の高い技術が必要です。

そういった条件が考えられ、現在和弓ではアルミシャフトの使用が圧倒的に多いと言えます。今後その傾向は続くと予想され、ますますアルミシャフトの需要は増すでしょう。

HOYT社は4年ほど前に、世界で初めて弓にショック吸収用スタアビライザーを取り付けた歴史あるメーカーです。その高い技術と理念は弊社の目標でもあります。工場内は整理整頓されており、セクションごとに区分けされていました。今回のイーストン社及びHOYT社で視察して来た事を今後の仕事や新商品に生かして行きたいと思います。

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弓道コラム(保管庫)
001 弓具を考える「巻藁」
002 職人の独り言(1)
003 温故知新「炭素繊維について」
004 弓と竹の話
005 夏のカケの手入れ方法
006 握り皮の話とフビライの妻の話
007 近代の系譜
008 テレビ放映
009 弦の話
010 直心館弓道場
011 2002年 新年のご挨拶
012 竹取りの感想・籐について
013 日本の弓
014 矢筈について
015 四半的弓道
016 七面鳥染め羽根について
017 竹切り後の作業工程について
018 小笠原流の弓(1)
019 小笠原流式竹矢の製作行程
020 弓道を始める年齢について
021 くすねの使い方
022 環境問題と弓具
023 2003年 新年のご挨拶
024 十年振り返って
025 京の旅と弓の詩
026 職人の独り言(2)
027 道具の手入れ方法
028 神田の話
029 弓書の限界について
030 神出鬼没・JAL機内誌
031 かけのできるまで(1)
032 かけのできるまで(2)
033 和弓の材料としての竹(1)
034 和弓の材料としての竹(2)
035 2004年 新年のご挨拶
036 袴の色々
037 ヤダケについて
038 北本市の桜
039 初心者の弓具の選び方
040 東京都インターハイ予選
041 暑中見舞い申し上げます
042 イーストン社・HOYT社工場見学
043 鷹狩り
044 埼玉まごころ国体にて
045 阿蘇の流鏑馬
046 2005年 新年のご挨拶
047 新文字入り弓巻
048 矯めなおしについて
049 新装開店致しました(1)
050 新装開店致しました(2)
051 2007年 新年のご挨拶
052 合串について