No.026
職人の独り言(2)
2003/04
矢師 佐藤 功男
写真:矢師 佐藤 功男

前回に続き、又独り言を言わせていただきます。

前回の苦言を見て、「私もそう思ってた、よく言ってくれた。」と、賛同してくれた人もおりましたが、なかなかわかってくれる人が少なく残念に思います。

竹矢は砂に打ち込みますので、どうしても矢先が磨り減って細くなってきます。先ず矢根が磨り減る前に取り替えたほうが、矢を傷めにくくすると思います。又、矢先に何か塗料でも塗ってやるのも良いでしょう。例えば、マニキュア(安い透明のもの)で良いのです。

胡桃油や椿油で時々軽く拭いてやるのも、やらないよりは良いと思います。油を時々塗っていれば、雨の日に使用しても濡れにくくなります。よく乾いた布ですぐ水滴を拭いてやることで、箆の曲がりも防げると思います。

又、カケと乾燥剤などを一緒に入れている人を見かけます。お茶缶等の中にカケと乾燥剤を入れて密閉すると、カケがニカワ質になり、皮が固くなります。ひどい時には皮が縮んでしまって使用不能になる場合もあります。下カケを頻繁に取り替えて、使用後は風通しの良い所で陰干しをしたりした方が、カケの為だと思います。

又ギリ粉をつける時も一回に多量のギリ粉を使用すると、余分なギリ粉が他の指等に飛び散り、そこに埃がついて汚れてしまいます。本当は一回の量を減らして、回数を増やせば良いのです。特に学生さんに多く見られます。

弓にしても一度弦をかけると弦は伸びてしまいますから、それを伸びたままで使用するのは、弓がひっくり返る原因になります。ひいては、弓が折れる原因に繋がります。

弓弦を張るときや外す時など、握り皮以外の所を持ってやる人がいますが、これも弓形をおかしくしてしまいます。弦輪の位置を直すときなども同様で、握りの部分を押して直せばいいのですが、他の部分に手を突いて力を入れると形がおかしくなったり、手形が付いたりしてしまうものです。

何か皆様の参考になればと思い書いてみましたが、職人の独り言と読み流していただければ幸いです。又何か気が付いた事があれば、次の機会に書かせていただきます。 道具の手入れや疑問に思ってることなど分からない事があれば、ご来店の折に聞いていただければお答えします。どうぞ、気軽にお声をかけてください。

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弓道コラム(保管庫)
001 弓具を考える「巻藁」
002 職人の独り言(1)
003 温故知新「炭素繊維について」
004 弓と竹の話
005 夏のカケの手入れ方法
006 握り皮の話とフビライの妻の話
007 近代の系譜
008 テレビ放映
009 弦の話
010 直心館弓道場
011 2002年 新年のご挨拶
012 竹取りの感想・籐について
013 日本の弓
014 矢筈について
015 四半的弓道
016 七面鳥染め羽根について
017 竹切り後の作業工程について
018 小笠原流の弓(1)
019 小笠原流式竹矢の製作行程
020 弓道を始める年齢について
021 くすねの使い方
022 環境問題と弓具
023 2003年 新年のご挨拶
024 十年振り返って
025 京の旅と弓の詩
026 職人の独り言(2)
027 道具の手入れ方法
028 神田の話
029 弓書の限界について
030 神出鬼没・JAL機内誌
031 かけのできるまで(1)
032 かけのできるまで(2)
033 和弓の材料としての竹(1)
034 和弓の材料としての竹(2)
035 2004年 新年のご挨拶
036 袴の色々
037 ヤダケについて
038 北本市の桜
039 初心者の弓具の選び方
040 東京都インターハイ予選
041 暑中見舞い申し上げます
042 イーストン社・HOYT社工場見学
043 鷹狩り
044 埼玉まごころ国体にて
045 阿蘇の流鏑馬
046 2005年 新年のご挨拶
047 新文字入り弓巻
048 矯めなおしについて
049 新装開店致しました(1)
050 新装開店致しました(2)
051 2007年 新年のご挨拶
052 合串について