No.014
矢筈について
2002/04
塙 将一

矢の修理の中で一番多いのが筈です。その為自分の矢に合った筈を常に用意し、すぐに自分で修理したいものです。筈の種類は、おのおのによって用い方が異なっています。

矢筈の種類

1:箆筈(よ筈)

箆の先端を直接削って筈にしたものである。
征矢、管矢に用いられる。
2:竹筈(節筈)

竹の根部の節部を焦がし作った筈である。
筈口より中をわずかに広く弦ふくみ、弦をくわえるように作ってある。的矢に用いられる。
3:ぬた筈(笠筈)

竹筈の一種で、少し削り残したものである。
神頭矢(蟇目、騎射矢等)に用いられる。
4:各材質による筈

木・竹・水牛・象牙・骨・樹脂・鹿角で作ったものがある。
丈夫さ(機能)については、それぞれ特徴があります。

上段:左から、プラ、水牛、木、竹筈
下段:カラープラスティック筈

筈交換方法

糸を焦がさないために少し筈巻を濡らし、ライターの火(内芯)をゆらして矢を廻しながらおよそ20秒程度あぶります。その際、羽を焦がさない様に注意してください。そして素早く筈の根元をペンチで挟み真っ直ぐ抜き取ります。但し、筈を強力な接着剤で接着している場合には取れにくい場合があります。くれぐれもアロンアルファ及びエポキシ系で付けないでください。接着剤は熱気でやわらかくなる性質のもの(昔はニカワを用い、現在は木工用ボンド)が最適です。新しい筈をつける際シャフト内に残っている接着剤を取り除きます。よく矢の奥まで接着剤が残っている事がありますので多く付けすぎないことが大事です。次の修理に影響を及ぼします。筈が緩い場合には麻等を巻き調整します。そして溝の太さを確かめ、走り羽が上になるよう真っ直ぐに入っているかを確認します。

火であぶる(羽根を焼かないように) ペンチで真っ直ぐ抜く

筈溝の調整

筈溝の太さを計る基準として的中定規を使うと便利です。四ツ矢及び六ツ矢全ての筈溝が同一になるように調整します。

筈溝を削る際平やすりで幅の調整をし、丸やすりで深さを調整します。調整せずに無理やり弦をかけると、筈割の原因となるほか、筈口が開いて筈こぼれの原因となります。又、筈こぼれを防ぐ方法として、中仕掛けの作り方にも注意しなければなりません。中仕掛けを作る際筈の上部を細くすると上に抜けやすくなりますが、筈の上部を太くすることにより筈が抜けるのを防ぎます。筈の溝は垂直(まっすぐ)に削らないと矢飛に影響を及ぼします。

やすり(丸、平)
的中定規
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