No.005
夏のカケの手入れ方法
2001/08

暑い日が続きますが、皆さん如何お過ごしですか?

夏は高温多湿の為、弓、矢、カケなどの弓具にとっても過酷な季節で、それぞれ適切な手入れが必要です。特にカケは鹿皮製品のため、水分は大敵です。この時期に限らず汗をかいたら下がけを乾いた清潔な物にまめに取り換える事と、矢返しの間も下がけを外すなどした方が少しでも湿気を逃がすことになると思います。それでも中が湿っていたら、納射後、家に持ち帰るまで指先内部に新聞紙を丸めた物で少しでも湿気を吸い取り、帰った後風通しの良い日陰で干すことです。

しかし逆にお勧めできないのは、密閉した容器に過度の乾燥剤などを長時間一緒にすると、カケが変形したまま固まる事があります。乾燥のしすぎもカケにはよくありません。

また一方では夏はぎり粉の付けすぎで、べたべたして離れが出にくくなることがあります。これも暑さによってぎり粉が溶け、ヤニ状に戻ってしまうことが原因と思われます。本来ならぎり粉の量は一回の練習に耳かき一杯くらいを付ける程度で、付けすぎてしまったら捨ててしまっても良いくらいなのです。

修理などに持ってこられるお客様のカケを見ると、まれにカケの帽子の先や中指も真っ黒になってる事があります。この黒くなったぎり粉を落とすには砂消しゴムで丁寧にこすって下さい。天花粉(ベビーパウダー)などの粉を軽くまぶして砂消しゴムでこすれば、さらに鹿皮に負担をかけずにすみます。しかし、あまりに固まってしまった部分は軽石(又は目の細かいサンドペーパー)で削り、その後、爪磨き用などのやや固めのブラシをかけて下さい。又、東急ハンズや手芸屋等にも皮を綺麗にする専用のやすりなどが 800円ほどで売ってるようです。これを軽石の代わりにして頂いても大丈夫です。(軽石はカケや握り皮などの製造段階でも使われる道具です。なめされた鹿皮に残された毛などをバーナーで焼き、その後軽石でこすることによって鹿皮独特の風合いが出るのです。)

しかしくれぐれも、カケの縫い糸を切らないようにご注意下さい。皆さんの大事なカケを長く使うためにも、以上の手入れ方法を参考にして下さい

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弓道コラム(保管庫)
001 弓具を考える「巻藁」
002 職人の独り言(1)
003 温故知新「炭素繊維について」
004 弓と竹の話
005 夏のカケの手入れ方法
006 握り皮の話とフビライの妻の話
007 近代の系譜
008 テレビ放映
009 弦の話
010 直心館弓道場
011 2002年 新年のご挨拶
012 竹取りの感想・籐について
013 日本の弓
014 矢筈について
015 四半的弓道
016 七面鳥染め羽根について
017 竹切り後の作業工程について
018 小笠原流の弓(1)
019 小笠原流式竹矢の製作行程
020 弓道を始める年齢について
021 くすねの使い方
022 環境問題と弓具
023 2003年 新年のご挨拶
024 十年振り返って
025 京の旅と弓の詩
026 職人の独り言(2)
027 道具の手入れ方法
028 神田の話
029 弓書の限界について
030 神出鬼没・JAL機内誌
031 かけのできるまで(1)
032 かけのできるまで(2)
033 和弓の材料としての竹(1)
034 和弓の材料としての竹(2)
035 2004年 新年のご挨拶
036 袴の色々
037 ヤダケについて
038 北本市の桜
039 初心者の弓具の選び方
040 東京都インターハイ予選
041 暑中見舞い申し上げます
042 イーストン社・HOYT社工場見学
043 鷹狩り
044 埼玉まごころ国体にて
045 阿蘇の流鏑馬
046 2005年 新年のご挨拶
047 新文字入り弓巻
048 矯めなおしについて
049 新装開店致しました(1)
050 新装開店致しました(2)
051 2007年 新年のご挨拶
052 合串について